理想的な医療とはなにか
06424107 山内菜緒
実習先:つばさクリニック
実習期間:2015/03/16-2015/03/20

私が実習させていただいたのは、倉敷にある、つばさクリニックである。在宅診療を専門で行われており、クリニックからおよそ30分圏内の施設や患者さんの自宅へ行かれている。実習先は、「どうせならあまりなじみのないことを」というくらいの軽い気持ちで選んだが、想像していたよりもはるかに濃い一週間となった。この実習を通して、本当にたくさんの事を学ばせていただいた。
まず驚いたことは、予想よりかなり充実した医療が提供されているということである。バイタルの確認はもちろんであるが、家で心電図もとれるし、レントゲンもとれる。さらにはプリンターも持ち歩いて、患者さんの家でカルテや処方箋を印刷もする。必要なものはすべてひとまとめにきれいにバッグの中に入っていた。充実しているのは、医療器具だけではない。自宅には緊急の際の連絡先はもちろん、家族でもある程度の医療的な補助(点滴を抜くだとか)ができるように、手順を書いた紙が貼ってあったりもした。また、医師のみならず、看護師、薬剤師、ケアマネージャー、MSW、そしてドライバーという多くの人々が緻密に連携し、患者とその家族を支えることで、本当に充実した医療が自宅で行われていた。
またもうひとつ驚いたのは、高齢者や施設の数である。私の地元は倉敷で、つばさクリニックが訪問診療される地域の事はよく知っているはずであった。しかし、自分の知らないところに介護施設がたくさんあり、被介護者の多さに愕然とした。これからますます高齢化が進む。今でさえこんなにたくさんの被介護者がいるという現実を目の当たりにし、やはり日本にはもっと訪問診療を行う機関が必要であると感じた。
このように、訪問診療について知るという目標はある程度達成できた。しかしそれ以上に、この実習を通して、本当に理想的な医療とは何かということをこの目で見て、学ばせていただいた。というのは、訪問医療において患者の意思を最優先し、それを患者の家族を含めた様々な人が協力して実現していくことはとても大切であるが、そのことは在宅に限ったことではないとはっとしたのである。どんな医療においても、それは根本的に重要なのである。在宅医療においては、医療が医師のテリトリーである病院で行われず、患者さんの生活の中に医療を入れ込むから、たくさんの人の連携、協力がより重要となり、より強調されるだけなのだと感じた。移動中の車の中で先生が、「外科、内科、とかそういうくくりの一つに在宅、というものがあるんだ」とおっしゃられていたのは、そういう意味も含んでいたのかもしれない、と今となっては思う。
さいごに、つばさクリニックの方々には本当に感謝の思いでいっぱいである。どのスタッフの方もより良い医療を提供するために一生懸命に働かれていて非常に忙しそうであった。そんな中、診療について回らせていただくだけでなく、学んだことのフィードバックの時間も作ってくださり、そのおかげで人間的にも成長できたと感じている。ここで得たものは本当にたくさんあり、まとめきれない。今後、この一週間のことをしっかりと生かし、いつまでも理想的な医療を追い求められる、患者に寄り添った医師になりたいと思う。

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