地域医療実習を終えて
医学生実習 岡山大学医学部医学科3年生 木村祐理子
実習期間  2016.08.22~2016.08.26

この度は、つばさクリニックの皆さまには、大変お世話になりました。5日間という短い間に、教科書では学べないことをたくさん教えていただき、とても心に残るものとなりました。

実習中には、先生の訪問診療にご一緒させていただき、院長先生と事務長さんには地域包括ケアシステムや在宅医療の在り方についてもご指導いただきました。
訪問診療では、様々な患者さんとお会いしましたが、そこで見たのは、病気と闘う暗くて不安そうな患者さんではなくて、ご自宅で穏やかに明るく生活している人たちの姿でした。
病院だと、どうしても病気を治すことに重きがおかれて、自由な行動も制限されてしまいがちですが、患者さんのお家にあったのは、「在宅医療を病院のような場所にしなくてもよい」という岡田先生の言葉のとおり、柔軟なケアを受けた穏やかな生活でした。
色々な地形の場所にある、患者さんのお家を一軒ずつ回るのは本当に大変です。病院で診察ができれば、定位置にある機械を使え、たくさんのスタッフさんの中で、1日に何十人もの患者さんを見ることもできます。それを考えると医療従事者にとってはとても大変なシステムです。
しかし、在宅医療で中心となるBSC(Best Supportive Care)のためには、患者さんの「ホーム」で医療従事者が寄り添って、患者さんのことはもちろん、その生活や背景、ご家族のことも身近で把握し、考え、悩む中で、信頼を築いていくことが重要なのです。患者さん1人1人にそれぞれの住所があり、駐車場、玄関、そして部屋にいる患者さんがあるということを考えながら診療に向かえるということも訪問診療ならではの良さだと思いました。
さらに、想像以上に幅広い処置が行われていることに驚きました。ポータブルな医療器具にはエコーやレントゲンまであり、「できるだけ家で過ごしたい」という患者さんの思いを支えるため、高難易度の処置にも対応されていました。
人にとって大切なひとときを、自分の一番落ち着く場所で、自由のある空間で穏やかに過ごせる、そしてそれを支えてくれる医療チームとケア方法がますます充実してきている、これが在宅医療の希望される大きな理由だと思いました。

また、今回の実習では、ケアマネージャーさんや訪問看護師さん、訪問薬局さんのお仕事にもご一緒させていただきましたが、在宅医療は、医師とケアを支えるたくさんの方との連携あってこそ成り立つということを様々な視点から学ぶことができました。

そして、これだけ沢山の目があることで、患者さんに対してはもちろん、ご家族への配慮とケアにもしっかりと繋がりますし、沢山の人が患者さんとご家族を支えているのだと、安心感を持っていただけるとも思いました。こうして、チーム1人1人がしっかりと患者さん方と関わり、信頼していただけるようになる必要があるのです。
車での移動中にも色々な医療従事者の方から、自分が今まで知らなかったお仕事について伺えました。いろいろな角度からのお話を聞くことで、改めて医師の手の届かないところがどのような場所か、そしてそのためにチームの方がどのように動いてくださっているかも知ることができました。

たった5日間で、沢山の視点から在宅医療に触れることができたのは本当に貴重な体験でした。さらに先生方には、詳しく有意義なレクチャーをしていただき心から感謝しております。また、スタッフの方々にも優しく接していただき、毎日楽しく学ばせていただいた実習でした。

理事長先生、院長先生、事務長先生、つばさクリニックの皆さま、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。

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