岡山大学医学部医学科 5年
つばさクリニックでの見学を終えて(H23.5.6)

大学で、臨床実習が始まって1ヶ月程が経ったGWに、とあるきっかけでつばさクリニックのことを知り、見学を申し込んだ。大学病院で勉強する合間に、この小さなクリニックで学んだこと、感じたことをお伝えしたいと思う。
1 家での医療を見て
きっかけはあまり覚えていないけれど、ぼくは在宅医療が好きだ。今まで、何ヶ所か在宅医療をやっている病院やクリニックを訪れる機会があって、いつも「いいなぁ」と思う。ぼくたちは忘れがちだと思うけれど、病院は普通の人にとってはとても特殊な場所で、患者さんの緊張した姿、あるいは疲れた姿を病院でよく目にする。しかし家にいる患者さん、家族はとても自然に、"いつものように"話される。寝たきりの方が多く、何も知らない人にとっては悲惨な医療なのでは、というイメージもあるけれど(実際、大変な状況である場合が多いけれど)、驚くほど普通に"家"なのだ。そうやって、家族の辛いことも包んでいられるのが家なのだろうか、やっぱり家はいいなぁと思うのである。
また、医療の方も進化していて、様々なデバイスが在宅医療用に開発されており、いろいろな治療・処置が可能となっている。こうした進んだ技術だけでなく、「在宅だからできない」だけではなく、「在宅でもここまでやれる」を追求するスタッフのプロとしての努力も重要である。そうやって高い水準の医療を、家だからといって諦めない姿は、学ぶものが多かった。
しかし、どうしても家では診きれない状況も生じうる。その時重要なのが「繋がり」であった。

2 家、あるいは地域と病院
患者さんのご家族自身が介護をする、というのは理想的であるように思えるが、家族への介護負担は大きい。在宅サービスを利用することでそれをある程度はサポートできても、限界はある。またご家族の診れないレベルでの急変もありうる。そういう時に必要な治療ができる施設へ繋ぐことができることは、とても重要なことであった。
「いざという時」に、ひとつのクリニックだけで対応するのは不可能だし、負荷が大きすぎる。必要な時には大病院へうまく送ることができることも必要で、今回の見学ではそういう「繋げ方」を見ることができて非常に勉強になった。
逆に、大病院で長期間入院せざるを得なかった患者さんを、地域で診れるようにサポートしているのも街のクリニックであって、お互いがお互いの仕事をしている、役割を持っているのである。

3 ぼくの立ち位置
ぼくが普段勉強している大学病院でも、多くの人が入院し、退院していくし、外来でいろいろな病気を抱える人がやってくるけれど、そういう人達はどうやって普通の生活をするんだろうと思うことがある。大病院や急性期病院では、長期間のフォローは限られたものになりがちだけれど、街のクリニック、病院とうまく繋がることで、患者さんをみていられるのだということを知った。
自分自身が理想とする医療者になりたいと思う。と同時に、大きな病院で働くにせよ、そうでないにせよ、患者さんの生活まで目を配るにはどうすればいいかを常に頭に置いておこうと思った。それは自分が1から10まで全部やるというわけではなく、適切なところに繋げていけるような仕事をしたいということである。

中村先生の働く姿、また、キラキラと在宅医療の魅力や、医師としての役割を語って下さる姿をみて、人々に必要とされる仕事ができることって本当に素晴らしいなぁと思った。いろいろなメッセージを下さった先生方を始め、スタッフの皆様には本当に感謝している。ぼく自身も、いい仕事ができるようこれからも頑張ろうと思いを新たにできた見学だった。

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