2015年9月
岡山大学大学院保健学研究科 博士前期課程 文箭 裕美子

私は小児科病棟での看護経験はありますが、医療的ケアが必要なこどもたちが退院後、在宅でどのようにすごしているのかという実際を知りませんでした。現在、診療報酬の改定に伴い、在院日数の短縮化が図られ、医療的ケアが必要なまま退院をするケースは少なくありません。しかし、その一方で小児在宅医療を積極的に受け入れている訪問看護ステーションや診療所が、県内でもまだまだ不足していることが予測されています。
その中で自分は、まず小児在宅療養の現実をしっかりと受け止め、その中で働く医療者の様子や、訪問診療を受けている子どもとその家族の様子について、見学を通し、理解したいと考え、今回の見学を申し込みました。

スタッフのミーティングでは、倉敷支部と岡山支部でテレビ電話が開通しており、それぞれの訪問診療の状況を確認し、担当患者に関する情報の共有がなされていました。そのミーティングの中には、患者に関することに限定されず、面白い小話も交えて、和やかなムードで一日がスタートされる工夫がなされていました。私も初めての場所、初めてお会いするスタッフに緊張していましたが、緊張が解けるまでにあまり時間がかからなかったのが大変印象的でした。
移動の前にはドライバーさんまでもが、自己紹介をしてくださり、様々な職種の方がチームの一員としての自覚を持ち、訪問診療に従事していることが伝わってきました。
移動の際には、丁寧に患者のことを説明していただき、イメージを持ち、実際の診療の場面を見学出来たため、状況を理解しやすかったです。訪問先の子どもとその家族に対しても、どういう視点で、どう介入すれば家族の介護負担が減るか、就学をどの状態になれば進めていけるかなど、診療のみに視点を限定することなく、子どもの成長発達段階に沿って、必要な援助を考えようとしているという場面をみることができました。
退院調整会議の場面においても、地域に帰ってから、家族が療養生活において管理が行いやすいようにという視点も持ちながら、病院へ輸液や栄養の内容について提案している場面を見ることができました。自分の家族がもし、在宅療養が必要な場合においても、できるだけ医療的ケアはシンプルであってほしいと感じるため、患者やその家族の思いに沿った援助計画がそこから始まっていると感じました。

一日という短い時間でしたが、大変充実した時間を過ごすことができ、また自分の在宅医療に従事したいという思いもさらに膨らみました。
まずは在宅療養の実態を知り、どうすれば医療的ケアが必要な子どもとその家族のニーズに沿った援助が展開できるかについてこれからもしっかり考えていきたいと改めて思いました。

お忙しい中、丁寧にご指導くださったスタッフのみなさま、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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